「五・七・五」詩
5-7-5 Poem Writing Competition
JLfest 2023
Objective
The competition aims at enhancing creative writing skills and language appreciation among Japanese language learners through poem writing.
This year's theme
「雨」Rain
RESULT ANNOUNCEMENT
This year, we received 97 entries from 54 contestants, From tabulation of the results from the 5 judges, the organizer decided to award 11 Best Entries.
Best 11 entries
with judges' comments
窓辺には
てるてる坊主
一つある
Ooi Wei Ling
Perlis
今日は雨、てるてる坊主に、明日天気になれ、と願う。なつかしい~。
OGATA TAMAKI
「物」で雨季という映像を強く表し、ことばの面白さとも言えるでしょう。
MELODY LAI MUI LOON
「てるてる坊主」が日本文化の特有であり、日本人の子供がよく使っている。マレーシア人にはこういう知識を持っていることがすごいと思う。
MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM
降ったとき
誰も見えない
目の涙
Yong Jane Min
Selangor
ドラマチックな句で、感情がよく表れていると思います。
NAKAZATO KENICHI
誰の涙なの?雨の日に、悲しい気持ちと感じています。
MELODY LAI MUI LOON
雨に濡れて涙を隠している様子が上手く表現されていると思います。
OTA YOKO
Note: This work belongs to Ms Yong and is not as published earlier. We sincerely apologise for the typo error.
したのみち
いろいろなかさ
いいけしき
Puteri Nur Sarah Megat Faizal
Pahang
直接に「降っている雨」というイメージのかわりに、「いろいろなかさ」が詩人に使われている。詩人が眺めている景色は「雨」そのものの景色じゃなくて、人並みの持っている傘になる。素晴らしいイメージと思う。
MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM
カラフルな色とりどりの傘が鮮やかな様子が目に浮かぶ美しい句ですね。
OTA YOKO
言葉の組み合わせ面白い。リズムにも整えています。
MELODY LAI MUI LOON
マレーシア
このじきがすき
さむいから
マレーシアの体感は、暑いの次は、寒い。好き好きこんな時期よくわかる。
OGATA TAMAKI
マレーシアは南国で雨が降ると涼しくなる様子が体感出来たような素敵な句です。
OTA YOKO
簡単に数の調整もリズムも順序に伝えられています。
MELODY LAI MUI LOON
鳴き蛙
路線を変える
家帰る。
Ooi Wei Ling
Perlis
「蛙」と「帰る」と「変える」の言葉遊びが素晴らしい。詩の意味も分かりやすくて、「鳴き蛙」と「雨」のリンクが明らかに把握できる。
MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM
「かえる」で韻を踏んでいるテクニックが素晴らしいです。
OTA YOKO
すいめんに
わっかのはなが
さいている `
Vivian Low Xiao Lin
Johor
水面に雨粒が、落ちるさまの表現が優雅。
OGATA TAMAKI
水滴が落ちて丸くなっているのを「はな」と表現されている素敵な表現です。
OTA YOKO
降りの中
ぼやけた影が
残ってた
Ang Jay Juin
Selangor
「ぼやけた影」というイメージが曖昧なのに、詩人の気持ちが私たちにうまく把握される。多分、詩人の「残っている影」が過去の悪い気持ちや記憶、この降っている雨の中に、その記憶を消したいこと。しかし、残っている記憶を消せば消すほど、時々頭の中によみがえってくること。
MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM
部屋の中
自然の歌を
聞いている
Ang Shi Min
Selangor
雨音を楽しむことができる心の余裕が素敵です。
NAKAZATO KENICHI
太陽は
隠れて泣いて
悲しいな
Bryant Lim Hong Jun
Johor
「雨」は太陽の涙という印象がうまくわかれる。こういうイメージが独創的な考え方と思う。最後で、「太陽が悲しいかどうか」の疑問がメランコリーの気持ちが伝達する。
MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM
夜の詩
祈り舞い降り
洗心す
Goh Chun Seong
Pahang
雨に自分の気持ちを重ねている様子が美しい句になっていると思います。
NAKAZATO KENICHI
出かけたい
外はザーザー
寝ようかな
Amnah Arifin
Pahang
オノマトペの表現はとても効果的に用いられて、雨の日ということがすぐ分かります。
MELODY LAI MUI LOON
PANEL OF JUDGES
COMMENTS FROM THE JUDGES
「マレーシアで日本語を勉強している皆様は、雨を悪いものとして考える人が多いことに驚きました。実際、雨は我々の生活に沢山の恵みをもたらします。例えば水資源の保全、リラックス効果、植物やお米の成長の手助けなど。想像してみてください。もしも雨が全く降らなくなったときのことを。それは恐怖ですね。雨だけではなく、多くの物事や出来事には沢山の見方や感じ方があります。雨を悪いものと考えずに、雨がもたらすポジティブな効果にもっと注目してみてください。きっと今までと違う考え方が生まれるはずですから。」
NAKAZATO KENICHI
「マレーシアで感じる雨音、窓の外、空、雨模様をうまく表現しているものを選びました。センチメンタルになる雨の日。雨の中の遊び、はしゃぐ声が聞こえそうな子供たちの姿、そんな泥んこ姿に、現実困った母親の気持ち。またてるてる坊主、これもすっかり忘れてたかわいい雨の日のものでした。今回は前年度より、すばらしい作品が多く、うれしい審査でした。」
OGATA TAMAKI
「全員の参加者の作品が素晴らしいと思う。作品を読んでいたと、勝者の選択が難しくなった。しかし、俳句や川柳を詠んでいると、参加者は一つの大事なことを考えるべきだと思う。詩を通じて、どのようなイメージを見せたいのだろうか。まず、頭の中の伝達したいイメージを決めて、そして一番適当な言葉を選択してください。季節の変わり目や日常社会のやり方や自然をみてください。頑張ってください!」
MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM
「今年の参加者の作品はとてもバラエティで、いろいろ面白くて新しい発想が出せました。特に雨のオノマトペや物などの言葉を上手に表現することができました。また、内容もテーマに沿って、言いたいことをしっかり伝えられて、想像力も豊富だなと思います。みなさん、よく頑張りましたね!とても素晴らしいです!」
MELODY LAI MUI LOON
「Nama saya Yoko Ota. 参加者の皆様が日本語を一生懸命に勉強され、「雨」を表現しているのが良くわかりました。雨を涙に例えていたり、少し悲しい印象の句が多かったように思いました。いずれの句も素晴らしい出来栄えの作品で、甲乙つけがたいものでした。Terima Kasih.」
OTA YOKO