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「五・七・五」詩

5-7-5 Poem Writing Competition

JLfest 2024

Objective

The competition aims to enhance creative writing skills and language appreciation among Japanese language learners through poem writing.

Theme:  「月」MOON

 The moon has fascinated mankind since the birth of time. Be it a full moon or a crescent, it plays numerous roles. A timekeeper and a navigator. An influencer of minds, tides, and growth. A symbol of mystery, beauty, romance, celebrations, and spirituality. So, what is the moon to you?

This competition is NOT about Haiku or Senryu but focuses on their common feature in composing a poem in a 5-7-5 syllable (or sound) pattern.

This year, we received 115 entries from 58 contestants, However, 15 entries were disqualified as they did not meet the competition requirement. 

RESULT ANNOUNCEMENT
BEST 10 ENTRIES

雲隠れ
バナナのように
薄明かり

ANG HAO XIANG
Kuala Lumpur, Malaysia

The moon, which is similar in shape to a banana, is shaded by clouds and emits faint light.

「バナナのように」の比喩が、オリジナリティがあってとても素敵です。「雲隠れ」や「薄明かり」という美しい単語と合わせることによってこの作品独自の美しさが出ている気がします。

OKAMOTO TAE

バナナの形のお月さまが、雲のまにまに現れて、いい! 日本の月はバナナを想像させない。これ、好きです。

OGATA TAMAKI

このリズムによって、三日月の情景描写がうまく伝わってくる。興味深く面白いこと。

MELODY LAI MUI LOON

月はバナナのように空で浮かべるのが新鮮な表現だと思う。ユーモア的なイメージも表している。

MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM

頭上げ
故郷思う
寂しいな

CHAN MING CHEN
Kuala Lumpur, Malaysia

The first line 頭上げ shows lifting head upwards to look at the moon. The second line 故郷思う illustrates the moon triggering nostalgic thoughts particularly about one's hometown. The third line 寂しいな expressing the sense of loneliness under the moon glow.

この詩によれば、筆者の感情とふるさとの思い出の関係は明らかに見えてきた。見上げると月を見てから遠くにあるふるさとの思い出がだんだん浮かべているというのはあらわしていると思う。

MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM

たくさんの人種がいるマレーシアならではの句だと思います。同じマレーシアの国内でも故郷が遠い人や、外国から来ている人が月を見上げて故郷を思う。故郷に思いを寄せるみんなが思う気持ちではないでしょうか。

NAKAZATO KEN'ICHI

わかる、わかる、家族や友達と離れ離れ、なんともいえないセンチな気分になる。でもがんばって、お月さまは見てるよー

OGATA TAMAKI

郷愁の思いが素直に表現されています。頭を上げた夜空にいる、月のやさしい表情も見えてくるようです。

OKAMOTO TAE

ともだちと

みてるよぞらは

おなじかな

SOH YI REN
Johor, Malaysia

In the poem, I express my thoughts and feelings toward my friends. I wonder if the same moon illuminating the sky above me also shines upon my friends, regardless of where they are. This thought brought out a feeling of closeness and togetherness with my friends, even though we are far apart.

離れている友達でも近くにいる友達でも、見てる夜空は同じでほのぼのとした気持ちになれる作品。紛争などがある世界の中で、ある意味人類は皆同じであることにも想像ができる作品。

NAKAZATO KEN'ICHI

どこにいても同じ月をがあり、友達を思う光景がよく伝わりました。

OGATA TAMAKI

離れた友達への思いが伝わります。「おなじかな」の言葉で、見ている「夜空」や「月」も、友情への思いも同じだと読みとれます。

OKAMOTO TAE

夜もすがら
兎餅搗く
ぺったんと

MOHAMAD ZAFROL NIZAM BIN MOHD NAZROL HANIZAM
Sabah, Malaysia

It closely mirrors Matsuo Bashō's haiku just with the character and settings changed. The rabbit on the moon pounding rice cakes and the ぺったん is the onomatopoeia expressing hitting or flattening something.

「餅つき」という日本独自の文化を擬音のぺったんという単語を使って表現されているのが素晴らしいです。ウサギが餅をついているように見えるのは、日本でも古来からの言い伝えであり、巧みに表現できていると思います。また、夜もすがらという言葉も、一晩中ウサギが餅をつく様子を想像させ、素晴らしいです。。

NAKAZATO KEN'ICHI

オノマトペが使われていて、生き生きとした作品です。ぜひ次はオリジナルのオノマトペを使った作品を作ってみてください。

OKAMOTO TAE

星空に 
唯一無二の 
耳飾り

ANG JAY JUIN
Selangor, Malaysia

In the night sky, the moon stands solely between the crowd of stars, being the one and only centrepiece on this dark canvas, like an earring dangling high above the Earth.

「耳飾り」という比喩が月の美しさを表し、「唯一無二」という言葉によって、「たくさんある星ではなく月のことだ」と読者に分かるようになっています。とても美しい作品になっています。

OKAMOTO TAE

月をネックレスでも指輪でもなく、耳飾り(=ピアス?)と表したのが面白いと思います。私たちから地球は見えないけど、きっと地球を顔とイメージしたのかなと思われ、想像力も評価できると思います。

NAKAZATO KEN'ICHI

秋の声
明るい夜空
爽やかね

DAYANG AISYAH NUR FITTERAH BINTI ABG HUSAINI
Sarawak, Malaysia

Among the voices heard during the autumn are the raindrops on the roof, the blowing wind that sweeps the fallen dead leaves, and the never-ending chirping of the crickets. The luminous atmosphere of the night heightens the anticipation for autumn as autumn nights are clear and the moon shines bright. A refreshing and pleasant entrance indeed for those who awaits the season of the fall.

この詩を読むと、道元(どうげん)の書いた「春は花、夏ほととぎす秋は月冬雪さえて冷しかりけり」の詩が思い浮かべる。「秋の声」も美しい表現だと思う。

MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM

簡潔で、秋の月という季節と言いたい気持ちがしっかり伝わってくる。

OGATA TAMAKI

湖面には
静かに揺れる
白い影

TAN YEE HAN
Johor, Malaysia

A white shadow sways quietly on the surface of the lake.

湖面で見えるのは「白い光」のかわりに、「白い影」という表現が使われた。美しいと思う。

MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM

家に近くある湖でも真上に月があると、こんな感じに美しくゆらゆらと光っています。

OGATA TAMAKI

真夜中に 
木漏れ日のよう 
照っている

ANG JAY JUIN
Selangor, Malaysia

In the dead of the night, moonlight shines down on the earth, like that of sunlight seeping through the canopy of trees during daytime.

やはり木漏れ日は夜にあることではないが、この詩では夜でも木漏れ日みたいなイメージがあることをうまく表わされると思う。

MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM

日本人は月明かりは木漏れ日と表現しない人が多いと思うが、マレーシアのような自然が多く真っ暗になるような場所では、月の明かりもまるで木漏れ日のように明るくあるのかと想像しました。月明かりの受け取り方など、環境や文化の違いを感じられる作品だと思います。

NAKAZATO KEN'ICHI

真夜中に  
照らしてくれる  
キミがすき

FADZLIANI BINTI MOHD KUSIN
Negeri Sembilan, Malaysia

The image of someone bringing light (キミrefer to the Moon) in the darkness reminds me of the moon and its importance. Appreciates the moon bringing light and comfort during the peaceful night.

味わい深い言葉から作者が月に対する気持ちを感じるでしょうね

MELODY LAI MUI LOON

風情や、情緒などを取り上げた句が多い中、直球で愛を伝えているのが良いと思います。

NAKAZATO KEN'ICHI

歩くとき 
いつも付き添う 
不思議だね

HAYLIE LOKE SHI ER
Selangor, Malaysia

The moon always seem to follow people whenever they walk. How very strange?

幼いころ、みんなが思ったであろう疑問を、素直に表現していて懐かしい思いになる作品です。

OKAMOTO TAE

リズムが良くて 月の存在感に触れることができる。

MELODY LAI MUI LOON

PANEL OF JUDGES

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OKAMATO Tae

Kajin / Haijin

JAPAN

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OGATA Tamaki

Calligraphy Instructor

MALAYSIA

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Melody Lai Mui Loon

Japanese Language Teacher

SM LOK YUK KOTA KINABALU (CF)

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Mohd Basil Hazman Baharom

Ph.D Student / Haiku Poet

WASEDA UNIVERSITY, JAPAN

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NAKAZATO Ken'ichi

Director

EMPHASIS INC

MALAYSIA

COMMENTS FROM THE JUDGES

 「日本語が母国語でないにも関わらず、話し言葉でない単語を使う生徒さんもいて、とても感心しました。日頃の努力の成果を感じることができる作品ばかりで、驚いています。日本語は同じ意味でもたくさんの言い回しがあり、ニュアンスが難しいと思いますが、これからもたくさん学んでより良い作品を作ってください。俳句は日本の文化ですが、マレーシアらしさも忘れずに、またチャレンジしてみてください。来年以降も楽しみしております。」

NAKAZATO KENI'CHI

 「この地で見る、感じる月夜、月、そしてそれを感じさせる詩句を選びました。 日本にも童謡、演歌、歌謡曲、J-pop の曲に月があり、つい思い出し、口ずさんでいました。かざりのない素直で、動きを感じさせる詩句、かわいい、真っすぐな表現に心を打たれました。年々の上達に驚き、拍手です、指をおり、また5・7・5詩句を時々作りましょう。」

OGATA TAMAKI

 「私は学生たちの書いた詩に感銘を受けた。すべての詩ではいろいろな単語や表現が使われて、表していたイメージも新鮮と思う。素晴らしい!毎日、自然や天気や人類や動物などの行動を見てみよう。その上で、残っている印象や感想を考えてみて、その印象を他人に伝えるため、いろいろの言葉を遊んでみよう。俳句を詠む能力はだんだんアップするようになると思う。頑張ろう!」

MOHAMAD BASIL HAZMAN BAHAROM

 「今回 多くの作品はかなり「月」の魅力を味わうことが十分である。使われている用語や素材などの面白さが 分かりやすく、詠みやすいと思われる。リズムの組み合わせもよく取れた。ただ、ある字余りや字足らずの作品は注意した方がいいと思う。俳句の世界では奥深いのが、みなさん、気軽に楽しめるように良い句が作れて活用してみよう。」

MELODY LAI MUI LOON

 「全員1位になっていいのではないかと思うほど、すばらしい作品ばかりでした。 「月」を使わないで月を表現するというのは、日本人にとっても難しい課題です。挑戦したこと自体がとてもすばらしいことです。 日本には俳句や短歌がありますが、マレーシアにはパントゥンがあるそうですね。 マレー語が分からない私には、どんな素晴らしい作品の数々があるのか、興味があってもなかなか触れることができません。 日本語を学び、このコンペで詩にも挑戦されたみなさんから、いつかパントゥンの素晴らしい作品の数々を、日本語で紹介していただけたらと願っています。」

OKAMOTO TAE

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